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桜の香りは取り出すことができるの?

    
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桜の香りは取り出すことができるの?

桜の香りって、あるようで、ない、と思いませんか。

春になると化粧品などで「この春限定!」という感じで、
桜の香りをつけた商品が出回りますが、
淡いピンク色を連想させたイメージで調香しているのがほとんどです。

ソメイヨシノが満開になると、
あんなにたくさんの桜に囲まれているのに、
まったく香りがしませんね。

桜の香りって、やはりお目にかかれないのでしょうか。

 

香りがある匂い桜

桜の季節になると、
いろいろな桜に鼻を近づけて香りをチェックしています。

ソメイヨシノでも、なんとなく「植物の香り」という
ほのかな感触を得ることはあるのですが、
やはり桜らしい香りはしません。

まぁ、ほとんど香りはないと言っていいと思います。

朝の早い時間なら桜の香りを感じることができるとか、
虫なら桜の花の香りもわかるはずだ、という人もいますが、
人間の嗅覚では、桜の香りを味わうことは難しいようです。

ところが、駿河台匂(スルガダイニオイ)という種類の桜には、
はっきりとした香りがありました。

 

駿河台匂(スルガダイニオイ)

駿河台匂の開花は遅めで、
ソメイヨシノが散り始める頃に咲き始めます。

白くて清純な雰囲気がする桜です。

江戸時代に駿河台というところで栽培されていたことから、
駿河台匂という名前がついたようです。

駿河台というと今の東京都千代田区ですね。

 

香りの印象はみんながよく知っているあの香り

 

鼻を近づけたところ、
嗅ぎ覚えのあるような香りがしました。

ほとんどの桜には香りがないことから、
かなり印象的な匂いです。

これは、いわゆる桜餅(さくらもち)の香りですね。

枝から葉っぱも少し出ているので、
花の香りのなのか、葉っぱの香りなのか、
厳密には判別できませんでしたが、あきらかに桜餅の香りです。

桜餅も葉っぱを塩漬けにしてお餅を巻きますね。

おそらく香りは樹木の樹液を通じて、
全体に行き渡っていると思うので、
花にも葉っぱにも香りがついているものと思われます。

 

桜の香りは採れないの?

香りの成分は「クマリン」と言って、
世界で初めて人工合成することに成功した芳香物質です。

フジェール・ロワイヤル (Fougere Royale)という
フゼアタイプの香水に使われたのが最初です。(1882年発売)

桜の精油(エッセンシャルオイル)って、
いろいろな人が抽出に挑戦しているのですが、
うまく採取できないようです。

それだけ、微量ということなのでしょう。

 

私がフレグランススクールで香りの修行をしていたときに、
桜の香りの抽出に成功した人がいましたが、
精油が採取できたというわけではありませんでした。

香りをチェックして見ると、
駿河台匂とは、また違ったほのかな香りがしました。

明らかな桜餅、という感じではなかったです。

確かに、桜のイメージらしい香りでした。

詳しい製法は教えてもらえませんでしたが、
ヒントとしては、
香りの成分は花だけに集まっているわけではない、
ということでした。

いつの日か、私も桜の香りの抽出に挑戦してみようかな、
と思います。

 

桜のように儚い淡雪(あわゆき)

春になると、気温も一段あがって、
暖かく過ごしやすい日が多くなります。

でも、油断していると、急に空気が冷え込んで、
冬のように寒くなる時もあります。

冬の空気が、まだ名残を残そうとしているようです。

そんな急に寒くなった春の日に、
大きな雪が降ってくることがあります。

春の季語「淡雪(あわゆき)」です。

 

淡雪は、キンキンに冷えた冬の雪のようには大量に降りませんが、
そのぶん、雪同士が結合して大きな塊で降ることがあります。

ところが、春の雪ということもあり、
積もることなく、地面に吸い取られるように消えていきます。

寒いと言っても、
空気も地面も温まっている、ということもあるでしょう。

春の桜も儚い(はかない)ですが、
春の雪も儚いのですね。

季節の変わり目は、
儚いことが多いのです。

 

まとめ

いかがでしたか。

桜の香りを求めている人は多いですが、
なかなか香りにある桜にめぐり合うことは難しいようですね。

 

ちなみに、
香りのある桜である駿河台匂(スルガダイニオイ)は、
新宿御苑の上の池あたりにありますよ。

4月中旬に見頃を迎えるので、
桜の花に自分の鼻をくっつけるように嗅いでみると、
かなり強い香りを感じることができますよ。

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