不思議な香りを創る工房 ー 空想調香店 ー

勿忘草(わすれなぐさ)の香りをつくりました

 

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「自分らしく生きるには」ということに興味が湧き、それを表現する手段として香りのデザインを学びました。これからは「すべての人が自分らしく生きられる社会」を夢見て、自分らしさを発信する方の手助けができればと思っています。

勿忘草(わすれなぐさ)というと、春に咲く可憐な野花ですが、その背景にあるストーリーが有名ですね。その伝説があったからこそ、「わすれなぐさ」というなんとも儚げな名前になったのです。

 

今回は、勿忘草のイラストをいただいたことをきっかけにして、香りをデザインしてみました。

 

勿忘草(わすれなぐさ)って、どんな花?

 

ムラサキ科ワスレナグサ属のヨーロッパ原産の多年草です。ただ、日本では気温が高く、暑さに弱いワスレナグサは枯れてしまうので、結果として一年草扱いとなっています。

小さくて鮮やかな青い花が特徴です。花の中心にある黄色とのコントラストも印象的なアクセントになっています。

 

ワスレナグサの種類は多く50種以上あると言われており、青い花だけでなくピンク色や白い花をつけるものもあります。日本でよく見かけるのはエゾムラサキという種類で、20〜50センチくらいの草丈で日本在来種と言われています。

 

ワスレナグサの花言葉

 

私を忘れないでください/真実の愛

「わすれなぐさ」というくらいですから、その言われが気になります。

元々は、ドイツの悲恋の伝説から来ています。
若い騎士であったルドルフが恋人ベルタのために、ドナウ川の岸辺に咲く勿忘草を取ろうとして川に転落してしまい命を落としてしまった、というお話です。

ドナウ川で溺れ死ぬ直前に、勿忘草を恋人ベルタに投げて「僕を忘れないで!」と叫んだといいます。

 

こうした悲恋の物語から、明治期に日本に入って来た時に「勿忘草」と名付けられました。英語でも「forget-me-not(私を忘れないで)」という名前になっています。

 

ワスレナグサの咲く時期

 

ワスレナグサは、識者によって異なりますが、4月17日や5月14日の誕生花にもなっており、ちょうど4月中旬から5月下旬にかけて咲くものが多いようです。

ただ、いくつかのお花屋さんに聞いたところ、園芸品種は3月頃から店先に出回ることが多いそうです。

まさに、春の花、ですね。

 

ワスレナグサの香り

 

ワスレナグサの花自体には、ほとんど香りはなく、生花から精油なども採ることができません。香水などでは勿忘草の香りとして売っているものもありますが、花のイメージから着想を得た創作上の香りとなっています。

 

私も香りのデザインの勉強をしている時に、ミオソティス(ワスレナグサの学名)という調合香料を使ったことがありますが、それも見た目の印象を香りにしたものです。甘くて可愛らしい感じでした。

 

香りのデザイン

 

香りを創る時には、見た目の雰囲気や佇まいから「あぁ、確かにそれっぽい香りだよね」という共通の納得感みたいなものが必要だと思います。そうでないと、出来上がった香りを嗅いでも、例えばワスレナグサという姿が目に浮かんでこないからです。

自分の共感覚のようなもの(例えば、音に色が見える)を頼りにして、なるべく多くの人が感じるであろう納得感みたいなものを探っていく作業になります。

 

実際には、他の花や草の香りからワスレナグサのイメージにあった香りを創っていくので、いくつかの香りを組み合わせて、元の花や草の香りそのものにならないように気をつける必要がありました。

 

特に天然香料の場合には、あまり多くの香りを調合してしまうと香りがにごってしまいますし、少なすぎると、元々の香りそのものの特徴が出すぎてしまうので難しいところです。

 

勿忘草の香りのイメージ

勿忘草についていろいろ調べました

 

  • 青くて可憐な小花
  • 野に咲く花
  • 茎が細くてか弱い様子
  • 中心の黄色と青い花びらとのコントラストが印象的
  • 勿忘草のドイツの伝説は物悲しさが鮮烈
  • 小さな青い花が肩を寄せあうように小規模に集合

・・・と、こんな様子を念頭に置きながらデザインしていきました。

 

勿忘草の小さくて可愛らしい様子と花のブルーを表現するために、オスマンタス(金木犀)とバイオレットリーフ(スミレの葉)を軸に調整していきました。

 

オスマンタスはどことなく懐かしい甘い香りが特徴ですが、この甘さに可愛らしさを託すことにしました。オスマンタスは秋の香りの代名詞のようになっているので、あまり多く入れると金木犀そのものになってしまうので、甘さだけ残るように配合を気をつけました。

 

勿忘草は野草なので、青臭い雰囲気のあるバイオレットリーフで上品な野性味を出しながら、金木犀の個性的な甘みを緩和するようにしました。

 

また、今回の調香では、ミカン科のお花で「ボロニア」という極めて希少な天然香料も使っています。ただ、今後はこの香料が手に入らないことから、この忘れな草の香りは今回限りのデザインになってしまいました。

ボロニア

 

他にもミモザなどのお花の香りを加えて整えていますが、高価な香料ばかりの構成になってしまったので、実際につくってはみたものの、量産できるようなフレグランスにはならなかったので商品化は無理だなぁ、と感じた次第です。

 

でも、こうして香りに向き合ったり、デザインする対象物に向き合うと、言語化できない雰囲気や印象のような「行間」を読んでいく不思議な感じになります。

きっと人間には五感ではない何かを使える能力があるのだと思います。それは私だけでないと思います。

 

さいごに

 

この勿忘草の香りをつくったのは、ボタニカルアートを描いている方から勿忘草のイラストをいただいたことがきっかけでした。

いま流行りの鮮やかな絵ではありませんでしたが、色あせた中でも凛とした佇まいを感じる作品だと感じて印象的だったのです。

今回はそんな佇まいも反映してみました。

ボタニカルアートをいただいた方にまず贈ったのですが、次のような感想をいただきました。

「素敵な香りに癒されています。私は今まであまり香りにこだわりはなかったのですが、この香りにははまりそうです❗なんと感謝したら良いのかわかりませんが、心より感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました❗」

 

私は人物の雰囲気を香りにするのが得意なのですが、たまには、こうしたお花そのものの香りもつくっていきたいな、と感じた次第です。

 

ささやかなプレゼント企画 (終了しました。ありがとうございました)

 

今回、この勿忘草(わすれなぐさ)の香りは、数千円で販売できたら・・・と考えていましたが、実際には継続して制作することも厳しく、使った香料もとても高額になってしまったので、商品化することは難しいと判断しました。

そこで、つくった分については、いっそのこと希望する方にプレゼントしたらどうかと考えました。お分けできるのは3ccの2本だけなので、先着2名様のみに無料で送付させていただきます(送料もこちらで負担します)。

※追記:いつか、第2弾もやろうと思っています。

 

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