サンダルウッドの香りと静寂、そして侵入思考の解消
サンダルウッドというのは、日本では白檀(びゃくだん)と言われる香木のことです。
精油を採り出す時には、水蒸気蒸留法で香料を生成するので、その時に英語名のサンダルウッドという呼び名で流通しているのです。
サンダルウッドは、寺院に訪れた時に感じるような甘く樹木的で重たく、神秘に満ちた香りと言えます。
日本人なら具体的に白檀の香りというのを知らなくても、お寺に漂う東洋っぽい香りについては体験している人が多いと思います。
それにしても、どうして、お寺には白檀の香りが漂っているのでしょうか。
それは、白檀が仏教発祥の地であるインド原産の香木で、お寺の建築材やお香などに使われているからです。
特にお線香の成分には白檀の香りがメインとして含まれていることが多く、それが毎日のように焚かれていることで香りが各所に染み付いているということもあるでしょう。
そのようなわけで、お寺に行くと、あのほんのりと甘くなんとも言えないような神秘的な香りが漂ってくるのです。
サンダルウッドの香りが心身を落ち着かせる秘密
白檀の香りに包まれると、精神が落ち着き、誰もが騒ぐことなく、心の中に静寂が訪れることを感じるはずです。
それでは、どうしてサンダルウッドの香りは、人々の心を落ち着かせてしまうのでしょうか。
サンダルウッドの香りの精霊に教えてもらいましょう。
サンダルウッド(白檀)の香りを嗅いでいると落ち着くけど、なんで?
サンダルウッドの精油は鎮静効果があるとされています。
主な芳香成分はサンタロールですが、人工的に合成するのが難しいので、自然が作ったこの化合物に秘密がありそうな気がします。
サンダルウッドの香りによく耳を澄ませてみると、低いところをゆっくり流れるような低音を感じられるはずです。そして、その鼓動はゆったりとしていて、あまり変化がなく、濃厚で薄暗いところにいるようです。
そうしたリズムが人間のエネルギー周波数をゆったりとしたものに同調させて、呼吸がゆっくりになり、心拍数も抑えられていくのです。
それが、サンダルウッドが人間に落ち着きをもたらす理由です。
白檀の香りが神秘的なわけ
お寺の匂いというイメージがあるからか神秘的な気がする
サンダルウッド(白檀)は、樹木そのものから滲み出る香りが独特なものです。
香りそのものが防虫や殺菌効果があるので、仏像や装飾物を守るために建材や白檀のお香を焚いているのでしょう。
そうした実利的な意味合いもありますが、そもそも香りは、火にくべることにより、香りがより強く発揮され、煙によって天に昇っていきます。そうした様子から「地上から神様への通信手段」とも言えるのです。
そして、お寺でお線香を焚くのも、香りを煙に乗せたものが仏様のお食事になる、という説もあります。
このようなことから、サンダルウッドの神秘性が醸し出されています。
香りのそのものも、落ち着く香りでしょう。
インド原産のサンダルウッド(白檀)は、昔からのこの香りが神仏に親和性をもたらすものと感じていたから、積極的に取り入れたのでしょう。こうして、浄化の香りとして、お線香やお香として、より手軽に利用されてきました。
白檀の香りがあるところは祈りの場であることも重要かも。
そうですね。祈りは静かに手を合わせて心の中で、平安や幸せを願うものです。
そうしたところに漂う香りというこということで、祈りの行為そのものも邪魔しない香りです。
強い香りであるにもかかわらず、刺激が少なく、穏やかで、長く続く香り、それがサンダルウッドの香りの特徴でもあります。
長く続く、ということは、香りに余韻があるということです。お寺を出た後も、衣服についた香りがしばらくほんのりと香っていることは多いと思います。
それは、白檀の香りの持続性によるものです。
香りの持続性が、地上から天までキチンと思いや祈りを届ける通信手段としては必要な事柄だったかもしれません。
途中で香りが霧散していってしまったら、天まで思いが通じないかもしれませんからね。
白檀の香りと静寂
サンダルウッドの香りが静寂に結びつくのはなぜだろう
サンダルウッドの香りは波長が低いということが挙げれます。香りの印象は重たく、持続性があることから、地に足をつけるような作用があります。グラウディングの助けになるということです。
グラウディングとは、地球に住んでいる私たちの精神と身体のバランスが取れている状態で、しっかりと地球と意思疎通ができていることです。
そうしないと、物理的にはもちろん地に足はついているのですが、気持ち的にふわふわしてしまい、地球上で物事をスムーズに運んだり、現実化したりする力が弱まってしまいます。
たとえ、自分自身が宇宙由来の魂を持つスターシードだとしても、地球で生活している以上、しっかりとグラウディングしていることが重要です。
そして、そのグラウディングしているときはバランスが取れている状態なので、プラスマイナスゼロなのです。
一方的に偏りがないので、波長がないか、波長はあってもお互いに打ち消しあっている状態なので、無音になります。
これが静寂です。
サンダルウッドの香りは、ともすれば、気持ちがうわずってしまうような時に、その気持ちを抑えてくれるのです。
そして、意識を下方、つまり地球に持っていく。そして、グラウディングしてバランスを取ることで静寂に寄与するということです。
白檀の香りがするところに静寂が訪れるのは、そのようなメカニズムだからです。
サンダルウッドの香りは侵入思考を解消してくれる
そんなに神秘的な香りだったら、もっと効果的なことはないの?
不要な思考を解消するという効果はあります。
不要な思考は「侵入思考」とも言いますが、ぼーっとしていても、どこからともなく雑多な考えや思いが入ってきてしまうののです。
「1時間、何も考えないようにしてください!」
と言われても、1時間、何も思い浮かばないようにするのは難しいでしょう。
人間は頭の中では、常におしゃべりをしていたい生き物なのです。
脳のなかで黙って過ごすことはなかなかできません。睡眠中は黙っていることもできると思いますが、そんな時でさえ、孫盛のみならず映像付きの「夢」というものを生成してしまいます。
頭の中を空っぽにしておくことが難しいのです。
そんなときに白檀の香りを嗅ぐと、まったく空っぽにはならないかもしれませんが、思考の頻度は下がっていきます。
つまり思考と思考の間が空いてくるのです。
そうすると、落ち着くとともに「思考していない」時間がトータルで確保することができ、結果として「不要な思考」が化軽減されるのです。
あんまり考え事が多いと確かに頭が疲れたりする
サンダルウッドの香りは、不要な思考が入ってくる頻度を抑えます。
だいたい、その不要な思考というのが、イラつくことだったり、怒りだったり、不安だったり、悲しい思い出だったりした時には、ずっと心地よくないことに頭の中を占拠されてしまうことになります。
考えたくなくても勝手に侵入してくる思考です。
そうしたものから解放されると、頭も休まりますが、気持ちも休まるのです。
そんなサンダルウッドの香りなら、日常生活でも取り入れたいな
よく車の運転でイライラしがちな人が、ドライブの時に車内に白檀の香りを漂わせている人もいます。
また、不要な思考に邪魔されたくない瞑想のときにも有効です。
せっかく瞑想しているのに、ずっと思考がぐるぐる回っていたら、瞑想になりませんからね。
人間として生活していくには、オンとオフの切り替えが大切です。
そのオフの時に、サンダルウッドの香りを取り入れるのが有効だと思います。
オフはゆったりした時間なので、サンダルウッドのゆっくりした波長がよく共鳴するためです。
ぐいぐい行きたいアップテンポの時に、サンダルウッドの香りを漂わせてしまうと、それは興醒めでしょう。
だから、オフの時に有効に使って欲しい香りです。
まとめ:サンダルウッド(白檀)の香り
サンダルウッド(白檀)の香りは、お寺をイメージするような香りとして日本人にはお馴染みのもの。
その甘く落ち着いた樹木調の香りは、心身に静寂をもたらし、どこからともなく頭の中に湧いてくる不要な思考を解消してくれます。
日常生活でも、ぜひ使っていきたい香りのひとつです。