つながりの中で、運と縁の不思議さ
「つながる」ということを考えていました。
「つながること」を、自分の外側にアクセスするということと捉えると、個人を超える、ということから、集合無意識、そして、地球や宇宙という壮大なテーマまで行き着いてしまいます。
そして、その壮大な中に、 身近な「不思議さ」を感じるのです。
自然の不思議さ
別に奇術のような摩訶不思議さが起きているわけでありませんが、 よくよく周囲を観察してみると、 この地球は実に不思議なことでいっぱいです。
昆虫図鑑で、枯葉のような様相をした蝶(コノハチョウ)を見つけました。 羽を閉じるとまったく枯葉と区別がつかない、擬態と言われている姿をしているものです。
これなんか、まるで神のいたずら心で創られたような昆虫ではないでしょうか。 枯葉とチョウの共時性、関係性。
どうして、このようなチョウが存在するのか、不思議で仕方ありません。
これは何かしらの意図が働いているとしか思えません。
地球には、動物、植物ともに、さまざまな生き物がいて、それぞれ変わった性質を持ち、実に多彩です。
これも、宇宙の創造物だと思うと、本当に神様の美術・工作の時間の作品なのではないか、とも思ったりもします。
自然界の香りは神の手による調香
私の研究分野である「香り」でも、同じことが言えます。
自然界にはローズ、ジャスミン、オレンジなど、あらゆる香りがあります。
自然に存在している香りは、まさに、神、宇宙の手による調香だと思っているのです。
いま、香りを分析するガスクロマトグラフィーの性能は かなり精密になってきており、たとえば、ローズの香りの成分も、99.99%以上は分析できるそうです。
しかし一方で、どうしても、最後の0.01%の部分では、どんな成分が入っているのか、解明できないでいるのです。 まさに、その残されたごくわずかな部分が神の領域。
だからこそ、自然の香りは奥行きがあり、神秘的であるともいえます。
宇宙は自分の姿を見たかった
そして、人間。
最先端の物理学者たちが、宇宙は宇宙自身を見るために「人間」を創ったのではないか、といわれています。
もし、神様の美術・工作の時間に「人間」を創ったのならば、それは、どんな思いで創ったのだろう、と想いを馳せることもあります。
そして、そんな「人間」たちが、地球上のあらゆる地域で、それぞれの人生を生きています。
それも、さまざまな関係性を持ちながら。
自然との関係、他者との関係・・・
つながりの神秘
実は私は他人との関係構築がとても苦手です。
でも、そうはいっても、まったく人と関わらずに生きていくことはできません。
だから、それをなんとか改善しようと、心理学の学校に通ったりもしました。そこで少しだけわかったことは、つながりの神秘です。
私が心理学を勉強しようとしたきっかけのひとつは、コミュニケーションがうまく取れないで悩んでいたことでした。
そして、コミュニケーションがうまくない自分は、孤独を積極的に好んだとも言えます。
だから、部屋にこもって調香する仕事は、意外と自分にあっているのではないかとも考えたのです。
旅するときは、いつもひとりで行き、話し相手は常に自分自身でした。でも、旅から帰ってきて、心に残っているのは、自然との関係性であったり、ほかの旅人との関係性であったりもしました。
つまり、孤独を好んでいたとはいえ、結局のところ、「つながり」に喜びを感じていたのだと今では思います。
心理学を学び始めてから10年以上経ちましたが、結局のところ、コミュニケーションの悩みが解決されたとはいえませんし、シャイでいまいち社交的でないところも、昔のままです。
でも・・・
「つながり」を考えたとき、あの日、あのとき、たまたま隣の席に座っていたから、仲良くなれた人もいるし、たった一言かわしただけなのに、受け入れることができた人もいました。
あらゆる選択の中で、たまたま、そのとき、そこにいたという事実。
その事実から、つながりが発生する偶然、いや必然。
宇宙の中で、いったい、どういう意思が働いているのかと思います。
それから。
これからつながるであろう、あなた。
まだ見ぬ、未来のあなたかもしれませんが、その節は、どうぞよろしくお願いします。