ボロニアの花言葉は「芳香」/どんな香りがお花らしいと感じるのか
近くにあるお花屋さんにボロニアが売っていたので、2シーズン育てていたことがありました。
花言葉が芳香というくらいなので、強い香りと思いきや、生花からの香りは本当にほのかです。
でも、とても鼻あたりがよく、繊細で優しい香りが癒されます。
まさに「お花の香り」という感じです。
このボロニアを育てるのは、水やりさえ気をつけていれば、それほど難しくはないようです。
ただ、私は一度だけですが、水やりを切らしてしまったことがあり、それで花が萎れてしまいました。
ボロニアの場合には、一度、花がしおれてしまうと、元通りにならないようです。
私も花の復活を願って水やりを続けていましたが、残念ながら花はすべて落ちてしまいました。
そのようなボロニアですが、この花の香りをどのように表現したら良いのでしょうか。
ボロニアの香り
なるべく多く伝わるように(でもざっくり)表現すると次のとおりです。
「ほのかに甘く、繊細で、柔らかく、エレガントだけど、可愛らしさを感じるようなピンクとブルーのカラーを感じるような香り」
これでも、なかなか伝わらないと思いますが、The花といったような、可愛らしいお花だったら、こんな香りがするんだろうな、という香りです。
では、このボロニアの香りの精霊に聞いてみましょう。
香りがする花は意外と少ない
ボロニアの香りを人に伝えるときには、どう答える?
ミカン科の木なので、ほのかに柑橘系の香りを背景に持ちながら、桃のようなフルーティな印象もある、甘く穏やかで優しい香りです。
うん、なんとなく私がイメージしているものと近いけれど、他の花の香りと区別するのは難しい印象だなぁ。
そうですね。お花の香りというと、似たような表現になってしまうかもしれません。
でも、意外と香りの強い花って、なかなかないんですよね。
花は綺麗だけど、香りもよく香るというのは、意外と少ないです。
花の香りの役割は昆虫に見つけてもらうこと
香りがする花が少ないってどういうことなのだろう
花が香りを発するのは、昆虫を引き寄せて受粉を促してもらうためです。人間にいい香りと感じてもらうわけではありません。
あらゆる虫を誘き寄せてしまうと、花や葉っぱを食べられてしまうかもしれませんので、花の蜜や花粉に興味がありそうな蜂などの昆虫に来てもらいたいですね。
でも、花で香りを作り続けるのは大変なエネルギーがいるのです。このパワーを出し続けるのは疲れてしまうので、多くの花は、あまり香りがしないものが多いのです。
虫たちが喜ぶような香りにしているわけね。それにしてもボロニアは人間にも心地よい香りなので、昆虫も結構、喜ぶような気がする。
多くの植物は、とにかく子孫を残すために、自分のことを昆虫たちに知ってもらわなくてはいけないのです。
花によっては、花弁を大きくして目立つものもあったり、色を派手にしたり、形をユニークにしたりして、とにかく他よりも目立とうとするのです。
ツツジみたいに昆虫が降り立つヘリポートのような模様をつけている花もあります。とにかく昆虫さんに至れり尽くせりの、あの手、この手を考えているのです。
香りを発するというのも、視覚よりも嗅覚的に目立とうとする作戦のひとつです。
なにしろ、これから代々、生きながらえていくためには、受粉してタネを作らなくてはなりません。存続に関わる重大事項なのです。
花そのものや香りを発するという行為は命懸けなんだね。
そうです。けっこうガチで頑張っています。
そうした中、わたしたちボロニアは花は小さいけれど、一つの株にたくさんの花をつけて、さらに香りも出すという物量作戦を採用しているのです。
花の香りは繊細で優しいと言われますが、昆虫さんにとってもうるさくない香りだと思いますよ。
ボロニアの香りを具体的に表現
それでは、芳香という花言葉のボロニアだけど、その香りについてもっと詳しく知りたいな
お花の香りというのは複雑で、たくさんの芳香成分が含まれています。
花の女王と言われるバラの香りの成分は、わかっているだけで300種以上です。
ボロニアの香りも多くの芳香成分で構成されていますが、ラベンダーに多く含まれているリナロールや、オスマンタス(金木犀)にも入っているイオノンという物質も含まれていることがわかっています。
ジャスミンに含まれているジャスモン酸メチルも含まれています。
こうして見てみると、多くの花の香りに含まれている芳香成分が絶妙に組み合わせって香りとしてのバランスをとっています。
化学的にみるとそんなふうなのですが、これでは香りの説明にはなりませんね。
やはり、香りは香りでしか表現できません。
それを無理やり他の伝達手段、例えば、言語や音、視覚…そういったもので、表現するとなると、やはりパーソナル領域での表現にならざるを得ないと思います。
最後は自分自身の言葉でしっくりいく香りの表現を生み出さないといけないのね。
そうです。結局、香りを記憶に留めておくには、自分自身による言葉のフックが必要となります。
今まで生きてきた中で、いろいろな言葉や感覚がストックされてきているあなたの身体からは、ボロニアの香りについて、こんなふうな表し方が見えてきました。
「ピンクのフリルを着た可愛らしい少女が顔を右に傾けたときに発するような優しい香り」
たぶん、他の人が聞いてもまったくわからない香り表現かもしれないけれど、一番しっくりくるかも
香りを他の五感で置き換えるには、感覚的に一番しっくりくるイメージを高速で自分の中から検索しないといけません。
思考で香り表現を組み立てても、すぐに忘れてしまうイメージになってしまいます。
香りをスメリングしたときに直感的に浮かんでくる言葉や映像、絵、肌触り、鼻感触。
そうしたものを中心に添えてから、周辺のディテールを補足していきます。
そうすると、ボロニアの香り、と聞いて、どんな香りなのかを頭の中で再現することができるようになります。
そうしたパーソナルな感覚が一番大事なのです。
誰にでも伝わるような表現は解像度がどうしても低くなってしまうため、自分だけにくっきり見える表現を獲得しておきましょう。
ボロニアの香り:まとめ
ボロニアはオースオラリア原産のミカン科の植物で多くの種類あります。
お花の種類も豊富ですが、観賞用には星形の花びらのピナータ種や、スズランのような釣鐘型の花をつけるヘテロフィラなどがあります。
私が育てていたのは、ピナータ(ピンナタ)種です。
ボロニアの香りは、Theお花、といった香りがしますが、花言葉が「芳香」というわりには、ほのかな香りで、甘くフルーティで優しく穏やかな香りです。ミカン科ということもあり、ほんのりシトラス系の香りも含まれています。
とても可愛らしく優しい香りなので、きっと多くの人が好むお花の香りだと思います。
ボロニアの香料は、希少性が高く、香り自体が繊細なので、水蒸気蒸留法ではなく、溶剤抽出法(アブソリュート)で採集します。
鉢植えの観賞用としては、よく出回っていますが、香料(精油)を取るために栽培しているわけではないので、市場に出回る量も少なく高価な香料です。
でも、お花らしいフローラルな香りは、きっと気分を明るくしてくれるはずです。