二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」の頃に咲く香りの花4選
2018年3月6日は、二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」
寒い冬の間、土の中でじっと春を待っていた虫やカエルなどが、暖かさを感じて地表に出てくる頃、とされる日です。
この頃になると、私たち人間も、ようやく春の訪れを実感する時期だと思います。
桜の時期が来るまでの主役は香りの花々
啓蟄の次の「春分」の頃になってくると、桜の開花が話題になり始め、いよいよ春本番、という感じになります。
その頃になると、春の彩りは桜に奪われてしまいますが、桜の開花の季節までに、自然界の主役を張るのは、香りの強い花々です。
1.白梅・紅梅
例えば、梅の花。
首都圏では2月下旬から3月中旬までに咲いています。特に、白梅は「春告草(はるつげぐさ)」といって、いち早く、春の訪れを告げる花として、昔から慕われています。
その和風な色合いもさることながら、ほんのり甘い梅の花の香りは、梅園に行くとより一層感じることができます。
白梅が咲いてから、紅梅が咲きます。紅白の梅を一緒に植えているところが多いので、とてもおめでたい景色を見ることができますね。
2.沈丁花(ジンチョウゲ)
秋の金木犀(キンモクセイ)と並んで、遠くまで香りが届く春の花といえば、沈丁花です。
家の生垣などによくみられる花ですが、金木犀と同じように小さな花なのに、放つ香りの量は莫大です。
沈丁花といわれるように、香木でおなじみの沈香(ジンコウ)と丁子(チョウジ)を合わせたような香りの花だから、というのが名前の由来です。
丁子はクローブという名前で香辛料としても使うことがありますね。
沈香と丁子。
この香りの強い二つを合わせた香りの花です。いかに強い香りを放つ花として昔から馴染みのあるものだということがわかります。
3.ミモザ(銀葉アカシア)
香水では、たまに使われることのある香料でミモザがあります。
石鹸みたいな香り、と称されることも多いですが、実際の花の香りをチェックするのは難しいと思います。
ミモザは高いものだと15メートルくらいまで育つ樹木なので、咲いている花に近づいて香りを嗅ぐことが大変なのです。
それに、実際の香りも沈丁花のように遠くまで届く香りではなく、ほのかな感じです。
それでも、香水にも使われるような香りの花がこの頃に咲くのですから、やはり、桜が咲くまでの間の季節は、やはり香りの時間なのですね。
4.水仙(スイセン)
水仙(スイセン)も香りの強い花です。
日本水仙やペーパーホワイトと言った種類を目にすることが多いですが、花全体が白いペーパーホワイトのほうが香りが強いです。
ただ、日本人好みの香りは日本水仙の方だと思います。
ペーパーホワイトは、ジャスミンの香りに動物臭を加えたような感じなので、好みは分かれるところです。
日本スイセンは、1月下旬から咲き始める蝋梅(ロウバイ)と同じ香りの成分が入っていることもあり、もう少しやわらくてお花らしい香りがします。
ラッパのような形のスイセンは、形も可愛らしいですが、それ以上に、香りもよく主張しています。
春先に咲く花に香りがあるのはなぜ?
「どうして春先のお花は香りが強いものが多いのだろう」と考えたことがあるのですが、4月になると、一斉に他の花々も咲いてゆくことに関係がありそうです。
二十四節気の啓蟄は、そろそろ昆虫などの虫や蛇や蛙と言った冬眠していた爬虫類たちも地上に出てくる時期と言われています。しかし、地上に出てくると言っても、そんなにたくさんの数の虫たちが飛び回るわけでもありません。
次の春分を過ぎて、本格的に暖かくなると、野原の花々は一斉に咲いてきます。
そうなると、子孫を残すために受粉を手伝ってくれる虫たちの取り合いになってしまうのではないかと考えられます。
確かに、虫たちも暖かくなるにつれて、どんどん地上に、空中に、と飛びまわってくるのですが、野の花の数はその比ではありません。
まだ、空気の冷たさの残る啓蟄のころは、数少ない虫たちを呼び寄せるために、強い香りを放っているのだと考えられます。
要するに、少ない虫たちを確実に花弁に引き寄せるために、香りという武器を使っているのではないかと思うのです。
だから、春の花が咲き乱れる直前のこの時期に、ライバルに先駆けて受粉を済ましてしまおうとしているのだと思います。
まとめ
春のお花というと、桜やチューリップなど、わぁっとたくさん咲いて彩りの良いものに目を奪われがちです。しかし、桜の花が話題になる前のこの時期は、香りが満開の時期でもあります。
まだ、冬の名残が残っていて、真冬の寒さに見舞われる日もありますが、ぜひ、野に出て健気なお花の香りを楽しんではいかがでしょうか。春の訪れは、まず香りから始まるのです。